■２番人気・２着■　ゴール前で勝ち馬の決め手に屈してしまったが、デビュー戦からポテンシャルの高さを発揮して２着に好走した。単勝1.6倍と断然人気に推されたギリーズボールが、ブランド力の高さと素晴らしい決め手で初陣を飾ったが、２着のリラも後続を３馬身引き離し未勝利は直ぐにでも勝ち上がれる走りを見せている。最終追いは坂路で軽く流した程度も１週前には三浦騎手を背にウッドでラスト11.6秒をマークし、素軽いフットワークを感じさせ２番人気に推された。スタートでやや後手を踏んだが素早いリカバリーで中団を確保。メイクデビュー戦らしい中盤が緩む流れでも、折り合いは十分に付き外々を余裕ある手応えで先団を見る形で追走する。３コーナーから鞍上が軽く促すと大外を素晴らしい手応えで上昇し、直線入口では馬なりで先団４頭の後ろから大外に持ち出し、直線に向くと12.2-11.8秒とラップが上がった所で一気に先団を捕え敢然と先頭に立つ。残り100ｍでは後ろから迫る勝ち馬に２馬身差を付けていたが、坂を上がってからの強襲に合いゴール前で交わされてしまった。ラスト11.8-10.8秒と急加速した中で差し切った勝ち馬には高い評価が必要だが、３着以下に下した各馬との能力差は歴然で２頭のポテンシャルが抜けていた印象である。424キロの小柄な馬体から大きな上積みは期待薄も、道中の追走力と瞬時の加速力を武器に未勝利卒業は近そうだ。東京コース替わりもプラスとなりそうで次走での初勝利に期待したい。

■18番人気・５着■　上位４頭には離されたものの、強引なレース振りながら最低人気の低評価を覆す脚力を発揮して５着に好走した。阪神1400ｍのメイクデビュー戦にフルゲート18頭が揃う大混戦。１番人気に応えたプレダムールの走りも評価できるが、単勝132倍の最低人気馬が0.6秒差の５着に好走し、スタートからチグハグな走りながらも脚力は十分に感じさせる一戦であった。レース前の陣営の評価は「本数は積んでいるがまだ体に余裕があるぶん動き切れていない感じ」と弱気のコメントであったが、ウッドで馬場の中程を回ってラスト２Ｆ23秒台を２回マークし、最低人気ではあったがある程度の脚力は披露していた。５番枠スタートから後手を踏みダッシュも付かず最後方に置かれてしまう。馬群から５馬身程離された最後方で追走に苦労していたように感じていたが、向こう正面後半に入ると鞍上の軽い促しにスイッチが入ったか素晴らしい勢いで大外を一気に上昇する。残り３Ｆまでの勢いは他馬を大きく上回り、中間の400ｍで推定12馬身程差を詰めていた。３・４コーナーでも大外を回りかなり脚を使ってしまい、直線は後退していきそうな雰囲気であったが、鞍上がひと息入れて直線に向くと追い出しに反応して、コーナーワークで広がってしまった差をジリジリと詰め、ゴールまでしっかり伸びて５着争いを制している。ペースが落ちた所で上昇したのは確かであるが、他馬を大きく上回るラップで追い上げ、ゴールまでしっかり伸びた走りは目立っていた。厩舎サイドの評価からも次走での上積みは必至で、まともに走れれば初戦で見せた脚力で上位争いは十分可能である。まだ人気薄が見込める次走で高配当の演出に期待したい。

■12番人気・４着■　クラシックを意識させる皐月賞の舞台に良血馬が揃い17頭の多頭数で行われたメイクデビュー戦。名牝アーモンドアイの甥・エピックフライトが初陣を飾り今後注目を集めそうだが、人気薄ながら４着に好走したイブキを次走狙える馬として取り上げる。集中力に欠ける面がありチークピーシーズ着用など若さが抜けない印象も、追い切りでは好時計をマークしてポテンシャルの高さは感じられていた。16番枠の不利と良血馬揃いのなかで12番人気と評価は低かったが、レースでも若さを見せながら脚力は十分に示していた。立ち遅れ気味のスタートと若さを見せて序盤は後方に置かれてしまったが、やや促しながら１コーナーでは中団まで取り付き、向こう正面では３頭の真ん中に入りながらも手応え良く上々の追走力を見せる。３コーナー過ぎに外から上昇してきた馬に包まれ、前の馬がやや下がってきたことからスパートのタイミングが遅れ、直線入口で強引に外に出すも寄れて他馬と接触し不利を与えてしまった。若さを見せながらも直線追い出されるとしっかりと反応し、急坂を上がって手前を替えると一気に伸びてゴール前は目立つ脚色で上位３頭に迫った。３・４コーナーで動けなかった不利で脚を余してしまったが、勝ち馬とは0.4秒差で３着馬とは0.1秒差と好勝負に持ち込んでいる。厩舎サイドでも心肺機能が高く持久力があると評価されており、レースを経験したことで次走での上積みも十分。器用さの求められない東京コースに替わるのはプラス材料となり、次走以降早い段階での未勝利卒業に期待したい。